「その志望動機、本当に“あなたらしさ”が出てる?」— 面接官に刺さる本当の志望動機のつくり方

「なんでウチを志望したの?」と聞かれて、詰まった。

「この会社に入りたい理由は何ですか?」

面接でほぼ必ず聞かれるこの質問に、どう答えたらいいのか——
悩んでしまった経験、ありませんか?

私自身も就活生だった頃、志望動機を準備するたびに「これで本当にいいのかな…」とモヤモヤしていました。

福利厚生が良いとか、大企業で安心だからとか。そんなことを答えたいわけじゃないのに、他に何を言えばいいのかわからなかったんです。

でも、面接官の視点を知った今ならハッキリ言えます。

志望動機は、「あなたと会社が長く一緒にいられるか」を確かめる質問。

それがわかると、つくるべき志望動機の姿が少しずつ見えてきます。


志望動機=「恋愛の告白」だと考えるとわかりやすい

志望動機が難しいのは、初対面の相手に「なんで私と付き合いたいの?」と聞かれてるようなものだから。

付き合ってもいないのに「好きです!」って言われても、なんとなく浅く感じますよね?

面接もそれと同じで、**「福利厚生がいいから」「有名企業だから」**という答えだけでは、納得感が薄いのです。

もちろん、それが志望理由の一部であるのは問題ありません。人間ですから、安定や待遇が魅力的に見えるのは自然なこと。

でも、それだけを前面に出してしまうと、面接官からは**「うちでなくてもいいのでは?」**と思われてしまいます。


面接官が志望動機を聞く「本当の目的」

企業は、志望動機を通じてこう思っています。

「この人を採用して、長く活躍してくれそうかどうか」

長く活躍するとはつまり、会社に利益をもたらす人かどうか

ここで誤解しないでほしいのは、利益といっても「売上を一人で1000万円出せるか」といった短期的な話ではないということです。

教育コストをかけてでも育てたい。
時間をかけて成長してほしい。
その未来に希望を感じられるか。

その視点で、面接官は志望動機を聞いているのです。


【STEP1】志望動機は「自分」と「会社」の接点を探すことから

志望動機を作るうえで一番大切なのは、

「自分が大事にしていること」と「会社が大事にしていること」が重なっている、という構造を作ること。

どちらか片方だけでは、志望動機として弱いのです。

  • 自分の思いだけを語る → 「うちである必要ないよね?」
  • 会社の理念だけを語る → 「嘘っぽい。合わせてきたな」

だからこそ、両者の接点=一致点を見つけることがカギになります。


【STEP2】まず、自分の「就活の軸」を明確にする

志望動機は、「自分のため」にまず考えてほしい。

会社に合わせようとするのではなく、まずは自分がどんなことを大切にして働きたいのか——
就活の軸を考えることがスタートです。

例えば、以下のような問いに向き合ってみましょう。

  • なぜその職種で働きたいのか?
  • その職種で活躍するために、どんな環境が必要か?
  • 将来、どんな自分になっていたいか?

この3つの質問に答えていくことで、あなたが「どんな価値観で働きたいのか」が見えてきます。


🔧 例:未経験からITエンジニアを目指す場合

  • なぜ目指す?
     専門スキルを武器に働きたくてプログラミングを勉強。学ぶうちに面白さを感じた。
  • どんな環境が必要?
     未経験からでも受け入れてもらえる。教育制度がある。先輩にロールモデルがいる。
  • 将来像は?
     大規模プロジェクトの上流工程を担当するエンジニアに成長したい。

【STEP3】会社の「価値観」を徹底リサーチする

次にやるべきことは、会社が何を大事にしているかを知ること。

具体的には、以下の情報源が効果的です。

  • IR情報(投資家向け情報)
     → どの分野に投資しているか? 経営課題は何か?
  • 採用ページの社員インタビュー
     → どんな人材を採用したい? 入社後のキャリアは?
  • 説明会や面接での質問
     → 生の声から理念や雰囲気を把握。
  • 業界の競合比較
     → なぜこの会社に興味があるのか、差別化の根拠に。

特におすすめなのは、働いている社員の話を直接聞くことです。OB・OG訪問や座談会を活用して、リアルな価値観に触れましょう。


【STEP4】自分と会社の価値観をつなげて「志望動機」にする

情報が集まったら、いよいよ志望動機の構築です。

ここでは例文をご紹介します。


🎯 エンジニア志望の例文

私が御社を志望した理由は、未経験から成長できる環境があると感じたからです。

将来、専門スキルを武器に働きたいと思いプログラミングを独学で学んできました。試行錯誤を重ねながら、一つずつできることが増えていく楽しさを実感しています。

御社では、教育体制が充実しており、未経験から上流工程までステップアップされた社員の方がいることに魅力を感じました。

私も、日々努力を重ねてエンジニアとして成長し、御社に貢献できる人材になりたいと考えています。


🎯 営業職(人材業界)の例文

私が御社を志望したのは、人材業界の営業職として成長のチャンスがあると感じたためです。

顧客満足と売上目標の両立という難しさに挑戦したいと考えています。

また、御社はベンチャー企業として変化のスピードが速く、成長意欲のある社員が活躍されている印象を受けました。

私も変化に柔軟に対応し、早期から結果を出せる人材として貢献したいと考え、志望いたしました。


【注意!】よくある“残念な志望動機”の例と改善法

❌ 「好きだから」だけの志望動機

例:このメーカーの商品が好きだから。出版業界が好きだから。

NG理由: 消費者目線で、働く意志や理解が伝わらない。


❌ 理念・ビジョンへの共感“だけ”

例:御社の理念に共感しました。

NG理由: どの企業もそれなりに良いことを掲げている。差別化にならない。


❌ 「成長したいです!」だけの志望動機

NG理由: 会社は成長支援の場ではなく、利益を出す場。「どう貢献するか」も語る必要あり。


❌ 「なんでもやります!」

NG理由: 具体性がなく、責任感や主体性が見えない。「将来こうなりたい→だからこの会社」とつなげよう。


最後に:志望動機は“会社に合わせるもの”ではない。

就活をしていると、どうしても「うまく見せよう」「受かる志望動機を言わなきゃ」と思いがちです。

でも、それではどこかの誰かにも通じる“没個性”な志望動機になってしまいます。

あなたの人生の主役は、あなただけ。
だからこそ、志望動機もあなたの価値観を中心に据えるべきです。

自分を大切にして選んだ企業だからこそ、
面接官にも響く。入社後も後悔しない。

そんな志望動機を、ぜひ自分の手でつくってください。
あなたらしい言葉で語れば、きっとそれは伝わります。