「いつか」は永遠に来ない——余白が未来を変える
「やりたいことがある。でも今は忙しいから、落ち着いたらやろう」
——そう思ったまま、月日が流れてしまった経験、ありませんか?
就職活動中のあなたも、きっと日々やることに追われているはずです。
エントリーシート、面接練習、企業研究……。
「今は時間がない」が口ぐせになっていませんか。
でも、そんな日常を変えるヒントが、この一冊にはありました。
タイトルは『がんばれない私のゆる時間術』。
忙しいのに週休3日、月に一度は旅行するライターが、どうやって時間をつくっているのか。
読んでみると、その答えは意外なほどシンプルで、そして骨太でした。
「ゆる時間術」なのに全然ゆるくない
著者はいしかわゆきさん。
かつて編集部で忙しく働き、現在はフリーライターとして活動中。
毎月1週間はワーケーションに出かけるという自由な働き方を実現しています。
一見、ゆるく聞こえる「ゆる時間術」。
しかし中身はかなりストイック。
キーワードは、
「ライスワーク=やるべきこと」をこなすからこそ、「ライフワーク=やりたいこと」ができる
つまり、やりたいことを叶えるためには、やるべきことを徹底的に効率化する必要があるということです。
衝撃だった「やらない」選択
本書で特に驚いたのは、時間を生み出すための徹底的な「やらない」選択です。
- 洗濯物を畳まない
- 靴下や下着を選ばない
- コーディネートを考えない
- メイクを毎日しない
- 入浴後にケアしない
「えっ、そんなことまで?」と、最初はびっくりします。
でも、よく考えれば確かに合理的。
選ぶ・整える・片づける時間を減らすだけで、1日数十分の余白が生まれるのです。
「やりたいことは、今すぐやる」理由
この本で繰り返し語られるのは、「いつか」も「落ち着いたら」も来ないという事実です。
若ければ若いほど、得た経験を使える時間は長くなる
就活中のあなたにこそ響く言葉ではないでしょうか。
例えば、海外で暮らす夢があるなら、学生のうちに短期留学に挑戦する方が、社会人になってからよりずっと実現しやすい。インターンやボランティアも同じです。
著者はこうも言います。
「何となく」やっていること、全部やめてみよう
そして空いた時間を、「やりたいことをやる」ための戦略的な時間に変える。
このシンプルな発想が、行動力を加速させます。
SNSよりも、自分の人生
現代の最大の時間泥棒といえばSNSや動画アプリ。
本書では、その誘惑を断ち切る具体策も紹介されています。
著者は「最近あまり本が読めていない」と気づき、スマホのトップページに電子書籍アプリを配置。代わりにSNSや動画アプリを全削除したそうです。
結果、1週間で7冊の本を読む生活に変わったとのこと。
これを聞くと、「時間がない」のではなく「時間を奪われている」だけだと気づきます。
即行動が生む、自分だけの未来
本書の中で心に刺さったのが、この一節です。
その場で終わるタスクは、その場で終わらせる
「あとでやろう」と思って持ち帰ったタスクは、結局頭の中で居座り続けます。
その小さなストレスが積もると、やりたいことに手をつけるエネルギーが奪われる。
だからこそ、「即決・即行動」が大切なのです。
ものを減らすと、時間も増える
著者が最強と語るのは、ものを減らすショートカット術。
例えば、病院やジム、習い事を同じエリアに集約すれば、移動時間も短縮できます。
お風呂上がりのケアを減らすために、入浴中にできることは全部済ませてしまう。
こうした「まとめる・減らす」の積み重ねが、人生の余白を増やします。
就活生にこそ読んでほしい理由
一見、この本は単なる時間術のハウツー本に見えます。
ですが本質は、「人生の最重要課題=やりたいこと」を実現するための心構えを教えてくれる一冊です。
就活中は、どうしても企業のペースに合わせた生活になりがちです。
しかし、その中でも**「自分の時間を守る」**ことはできます。
たとえ1日10分でも、自分のやりたいことに使えば、未来は確実に変わります。
最後に——余白は待っていても生まれない
時間は「ある」ものではなく、「つくる」ものです。
そして余白は、待っていても訪れません。
「落ち着いたら」やるのではなく、
「今だから」やる。
その小さな一歩が、あなたの就職活動も、その先の人生も、きっと豊かにしてくれます。