「世界標準の話し方」が就活を変える——面接で差がつく聞き方・話し方
「よろしくお願いします」
面接室に入ると、目の前の面接官がにこやかにうなずく。
でも、その後のやり取りで、なぜか会話が広がらない。
質問には答えているのに、空気が固いまま終わってしまった——。
就活の現場で、こういう経験をした人は少なくありません。
実はその原因、あなたの話し方や聞き方が“日本だけの常識”に偏っているからかもしれません。
ハリウッドスターも心を開く聞き方
今回紹介するのは、レディー・ガガやヒュー・ジャックマン、キアヌ・リーヴスなど、世界的スター2000人以上にインタビューしてきたジャーナリスト・斉藤真紀子さんの著書
『たった1分で相手が虜になる世界標準の聞き方・話し方』です。
著者が長年の現場で学んだのは、相手の心を開き、自然に会話を引き出す技術。
しかもそれは、英語力の問題ではなく、「話し方」と「聞き方」の習慣の違いにあるのです。
日本ではOK、でも海外ではNGなこと
本書で最初に驚いたのは、日本の常識が海外では評価を下げることがあるという事実です。
例えば——
- 社内で一緒に仕事をしている人に「ミスター」「ミズ」と敬称をつける
- 無口な態度
- 「女らしい」「男らしい」という表現
- 女性の容姿や服装をほめる
- 人種や文化をネタにする
これらは日本では何気ない会話でも、グローバルでは距離をつくったり、失礼と受け取られる可能性があります。
就活でも同じ。
もし面接官が海外経験のある人なら、こうした言葉選びひとつで印象が変わってしまいます。
世界基準の「距離を縮める」テクニック
一方で、効果的に距離を縮められる方法も紹介されています。
- 身体の動きで自信を示す(背筋を伸ばす、手を見せる)
- ニックネームを使う(親しみやすさを演出)
- 「恐妻家ジョーク」で場を和ませる
- 相手の出身地に興味を持つ質問をする
- 意見が対立したら「自分の背景」を踏まえて根拠を話す
特に印象的だったのは、「恐妻家ジョークは万国共通」という話。
誰も傷つけず、場を和ませられるユーモアは、国境を超えるのです。
面接で使える「アイスブレイク」のコツ
著者は、アイスブレイクは会議や商談の“前”にやるべきだと言います。
面接でも、入室直後や最初のやり取りで、少し柔らかい話題を挟むと空気が和らぎます。
例えば——
面接官の出身地がわかっていれば「私も先日そちらに行きました」と話題を振る。
相手がスポーツ好きなら「〇〇戦、見ましたか?」と共通の話を見つける。
これも、日本式の「まずは敬語と丁寧さ全開」ではなく、相手との心理的距離を一気に縮めるためのアプローチです。
「わからない」とは言わない
本書では、言い換えの技術も学べます。
例えば、「わからなかった」と言う代わりに——
「確認したい」
「もう一度聞きたい」
と表現すれば、前向きで協力的な印象になります。
就活でも、質問の意図がつかめなかったとき、ただ「わかりません」ではなく、こう言い換えるだけで印象が変わります。
聞き上手は準備から始まる
「聞く力」の本質は、その場のリアクションだけではありません。著者は、事前に相手のプロフィールを調べ、生い立ちから現在までの年表をつくることを勧めています。
就活で言えば、志望企業や面接官(わかれば)の経歴を調べ、質問や話題を準備しておくこと。
これが自然な会話の流れを生みます。
就活生にこそ必要な「世界標準」
「自分は日本人相手にしか話さないから関係ない」と思うかもしれません。
でも、グローバルな経験を持つ人や、多様な価値観を持つ人はどの企業にもいます。
知らずにNG行動をすれば、それだけで評価を落とすこともあります。
逆に言えば、この本のエッセンスを身につければ、誰とでも距離を縮められる武器になります。
最後に——面接は会話、会話は信頼づくり
面接は「質問と回答の場」ではなく、信頼を築くための会話です。
そのためには、相手の心を開く聞き方・話し方が欠かせません。
『たった1分で相手が虜になる世界標準の聞き方・話し方』は、単なるマナー本ではなく、
就活・社会人生活・国際交流すべてで使える、一生もののコミュニケーション術が詰まった一冊です。
「話す」より「つながる」。
その技術を知れば、面接も人間関係も、きっと変わります。