面接で聞かれる「長所・短所」の正しい答え方
「長所と短所を教えてください」
就活生の多くがつまずくこの質問。
「自分ってどんな人間だろう?」から考えると、手が止まってしまいがちです。
でも実は、正しく考えれば誰でも必ず答えられるんです。
今回は、“落ちない”長所・短所の考え方と伝え方を、初級編から上級編まで丁寧に解説していきます。
なぜ「長所・短所」で落ちるのか?
まず最初に、よくある落とし穴を押さえておきましょう。
❌ 間違った考え方
- 「長所なんてない」「短所ばかり思いつく」
- 「とりあえず思いついたものを言えばいいでしょ」
- 「自己分析が終わってないと答えられない」
どれもNGです。
実はこの質問、「自己理解」だけでなく「面接官の視点」も理解しないと、正しく答えられません。
面接官が見ているのは、“今”より“未来”
面接官は、あなたの完璧な人柄を知りたいわけではありません。
彼らが見ているのは、
「この人は、入社後に長く活躍してくれそうか?」
という未来の姿です。
だから、自己紹介や自己PRと同じく、仕事での活躍がイメージしやすい長所・短所を選ぶ必要があるのです。
長所の伝え方|就活で使えるテンプレート&具体例つき
では、まずは長所から。
考え方・作り方・話し方を順番に見ていきましょう。
✅ 長所の作り方テンプレート(話す順番)
- タイトル(私の長所は○○です)
- 前置き(いつ・どんな場面の話か)
- 課題と決意(どんな問題にどう向き合ったか)
- 具体的行動(工夫したことを2〜3つ)
- 結果(数字や評価)
- タイトルの繰り返し(まとめ)
✅ 作るときの順番は逆から
「私は◯◯な人間です」と最初に考えるのは難しいので、結果から逆算するのがコツです。
✅ 例:野球部でスタメンになれなかった私の長所
私の長所は、チームの目標達成に向けて全力で取り組めることです。
高校時代、野球部で3年間、強豪校に所属していました。
チームは甲子園出場を目標にしていましたが、私は残念ながらスタメンにはなれませんでした。それでも、自分にできることは何でもやろうと決意しました。
具体的には、
・朝練を促す声かけを続け、雰囲気づくりに貢献しました
・ムードメーカーとして、練習中も試合中も全力で盛り上げました
・試合では裏方として、タオルや飲み物の準備を徹底しましたその結果、チームはついに甲子園出場を果たすことができました。
このように、目標に向かって自分の役割を全うし、チームを支える行動ができるのが私の長所です。
✅ ポイント解説
- 主役じゃなくてもOK!
裏方やサポートの努力も立派な強みです。 - 「当たり前にやったこと」も価値になる!
他人から見たら十分すごいことかもしれません。
短所の伝え方|地雷を避けて“信頼される”人になる方法
次は短所。こちらは長所以上に大事です。
なぜなら、「自己認識ができているかどうか」が問われているからです。
✅ 短所でやってはいけないNG例
- ❌「緊張すると頭が真っ白になります」
- ❌「嘘をついてしまいます」
- ❌「怒られるとすぐ落ち込みます」
→ 業務に致命的な支障が出そうな内容は避けましょう。
正しい短所の選び方と伝え方|初級編
✅ 裏返すと長所になるタイプを選ぶ
短所 | 裏返すと… |
---|---|
集中しすぎて周囲が見えない | 集中力が高い |
気を遣いすぎて自己主張できない | 協調性が高い |
完璧を求めすぎる | 向上心が強い |
✅ 改善策は“行動ベース”で伝える
- ❌「直そうと思っています」←弱い
- ✅「〇〇という行動を意識しています」←信頼される!
✅ 例:集中しすぎて周囲が見えなくなる
私の短所は、集中しすぎて周囲が見えなくなることです。
学生時代、資格勉強に集中していた際、周りの声に気づけず迷惑をかけてしまったことがありました。
それ以来、集中する前に「今から1時間ほど集中します」と周囲に伝えるようにしています。
また、定期的に顔を上げて、周囲の様子を確認する習慣をつけました。このように、自分の短所と向き合い、行動を通じて改善に取り組んでいます。
上級編|“本当の短所”に向き合える人が、社会で活躍する
ここからは少し上級者向けの考え方になります。
💡 大切なのは「強い人」になることではなく、「弱さと向き合える人」になること。
誰にでも弱点や失敗はあります。
でも、自分の弱さを知り、行動し、周囲を頼れる人こそが、社会で長く活躍できる人です。
✅ 上級編:本音の短所は信頼を生む
たとえば、私自身の話をします。
私は過去、**「自分の正しさを押し付けてしまう」**という短所が原因で、
仲間に無理をさせ、結果的に大切な友人を傷つけてしまった経験があります。
今は、日々意識して、
・他者の意見を丁寧に聞く
・自分の影響力を意識して伝え方を工夫する
といった行動を心がけています。
✅ ここがポイント!
本当の弱さをさらけ出せる人は、強い人です。
短所を隠すのではなく、向き合う姿勢こそが、面接官の信頼を勝ち取ります。
【まとめ】長所・短所で悩んだら、この順番で考えよう!
🔽 長所の作り方(考える順)
- 結果(数字・成果)
- 行動(工夫・努力)
- 課題と決意
- 前置き(背景)
- タイトル(私の長所は〇〇です)
🔽 短所の作り方(初級編)
- 裏返すと長所になるものを選ぶ
- 業務に致命的でない内容にする
- 改善策は行動ベースで話す
- 強い否定は避け、柔らかい言い回しで
🧠 上級編の視点
- 短所=悪いものではない
- 自己認識こそが“社会人力”
- 本音で語れる人は、面接官に強く印象を残す
🎯 まずは「1つの長所・1つの短所」から作ってみよう!
- 自分を大きく見せる必要はありません。
- 本当にあった経験をもとに、丁寧に紐解けば、“伝わる自己理解”が完成します。
面接で「自分の言葉で語れる」ように、
このテンプレートを使って、あなただけの長所・短所を磨いていきましょう。