「この学部・学科を選んだ理由は?」に自信を持って答えるための面接講座

「この学部・学科を選んだ理由は?」と聞かれたら

「なぜこの大学(学部)を選んだのですか?」

就活の面接でよく聞かれる、ありふれたこの質問。

でも実は、多くの就活生がこの質問に対して悩んでいます。

  • 正直、特に理由がない…
  • 親に言われたから…近かったから…
  • 学んだことと就職希望の方向がまったく違う…

そんなふうに、後ろめたさを感じてしまう人も多いのではないでしょうか?

今日はこの質問にどう答えるべきか、面接官の意図から、具体的な回答例、NG例まで徹底解説していきます。


そもそも面接官は何を知りたいの?

まず押さえておきたいのは、面接官の質問意図です。

実はこの質問には、以下のような“本音”があります。


✅「人生の選択をどう考えてきたか」を見ている

  • 進学という人生の大きな分岐点を、どんな考えで選択したのか
  • 目的意識を持って行動してきたかどうか

これを通して、その人の価値観や思考プロセスを知りたいのです。


✅ でも、目的意識がなかった=マイナスではない!

大事なことなので繰り返します。

高校3年生で、将来の明確なビジョンを持って大学を選ぶ人は少数派です。

「近かったから」「学費が安かったから」「成績的にちょうどよかった」
それだって立派な理由。

大切なのは、正直に自分の言葉で語れるかどうか。


【悩み別】よくある3つのパターンと回答のヒント


💡パターン①:正直、大した理由がない…

「近かったから」「親に言われたから」など、特別な理由はない…

そんなときのポイントは、“その選択に自分なりの意味を持たせる”ことです。


✅ 回答例:「近かったから」という理由を活かす

高校3年生の当時は将来の方向性が定まっていませんでした。
だからこそ、大学生活でサークルやアルバイトなど、幅広い経験を通して自分を広げたいと考え、時間を有効に使えるよう通いやすさを重視しました。
その結果、こちらの大学を選びました。

→ ポイント:過去の選択を“前向きな判断”として位置づける


💡パターン②:当時と今で進路が変わった

「学んできた分野と、就職で目指している方向が違う…」

そんなときに大切なのは、「なぜ変わったか」の説明です。


✅ 回答のコツ

  • 当時:どんな考えでその学部を選んだか
  • 現在:なぜ考えが変化したか(経験や気づきなど)
  • 今:今の志望とどうつながっているか

✅ 回答例

当時は環境問題に興味があり、環境科学を学べるこの学部を選びました。
学ぶ中で、“仕組みを変えないと社会は動かない”という課題に気づき、ビジネスの仕組みを通じて社会課題にアプローチしたいと考えるようになりました。
そのため、現在はコンサル業界を志望しています。

→ 変化は悪いことではなく、経験による成長として伝えればOK!


💡パターン③:理由が多すぎて、まとまらない!

「たくさん理由がありすぎて、どう伝えたらいいかわからない…」

そんな方には、以下のステップがおすすめです。


✅ 回答づくりの手順

  1. 進学理由を箇条書きで書き出す
  2. 重要だと思う順に順位付けをする
  3. 1位〜2位の理由に絞って、1分以内でまとめる

✅ 回答の時間目安:30秒〜1分

長すぎる回答はNG。簡潔で分かりやすくまとめる力も見られています。


【ケース別】よくある実例と回答改善ポイント


❌NG例:「グローバル化の時代だから英語を学びたいと思った」

一見よさそうに見えますが…

「なぜこの大学なのか?」が抜けている


✅ 改善例

グローバル化が進む中で、語学力の重要性を感じ英語を学びたいと考えました。
この大学では英語以外の語学も学べる環境があり、国際交流プログラムも豊富だったため、進学を決めました。


❌NG例:「親に勧められたから」

これもよくあるパターン。


✅ 改善例

親の勧めでこの大学を知り、調べてみたところ、○○というカリキュラムや○○な雰囲気が自分に合っていると感じました。
最終的には、自分の目で判断して進学を決めました。

→ ポイントは「きっかけは親、決断は自分」


❌NG例:「第一志望に落ちたから」

正直すぎるとネガティブに聞こえがち。


✅ 改善例

第一志望の大学には届きませんでしたが、環境分野を学びたいという軸はブレず、その中で自分の学力や条件に合い、より実践的な授業が受けられるこの大学を選びました。

→ 前向きな選択だったことを伝えるのがポイント


【就活生あるある】みんな実はちゃんと考えていない!?

文部科学省やDISCOの調査によれば、**大学選びの理由として最も多いのは「学力的にちょうど良かったから」**というもの。

つまり…

多くの学生が、完璧な目的意識を持たずに大学を選んでいるのが現実です。

面接官もそれを理解しています。だからこそ、大切なのは…


✅ 過去の選択に「意味づけ」して語れること

  • 「自分なりにこう考えて決めた」
  • 「そこからこんな経験を得た」
  • 「今の考えにつながっている」

これが伝われば、選択に対する責任を果たしていることになるのです。


【まとめ】大学を選んだ理由を語るための3つの視点


✅ 1. 正直な理由でも大丈夫。意味づけが大事

例)「近かったから」→「時間を有効活用するために」


✅ 2. 当時と今の考えが違ってもOK。変化のプロセスを語ろう

例)「環境問題に興味」→「社会の仕組みを変えたい」→「コンサル志望」


✅ 3. 思いが強すぎると後が苦しくなる。主張は“ほどほど”に

→ 強く言いすぎると、変更の説明にハードルが上がる


就職活動で大事なのは、過去の選択を美化することではなく、今の自分をどう伝えるか。

自分の言葉で、自分の選択を語れることが、何よりの信頼につながります。

完璧な理由なんてなくていい。
だからこそ、あなたらしい言葉で語ってください。