転職活動、何社応募すれば正解?20社応募はもう時代遅れです

「転職活動って、何社くらい応募するのがベストなんでしょうか?」

この質問、実は多くの人が間違った常識に基づいて行動していることが多いんです。

  • とりあえず20社くらいは出しとこう
  • 新卒のときは30社くらい出してたから、それくらいは出さないと不安

でも、そのやり方、転職では通用しません

今回は、「応募社数の正解」をはっきりさせるために、戦略的な視点から徹底解説します。今から転職活動を始めるあなたが、絶対に損しないための指南書です。


大量応募は、転職活動において“愚の骨頂”

まず最初に、これだけは断言させてください。

転職において、大量応募はNGです。

新卒就活では確かに大量応募が基本でした。一括採用でポテンシャルを見られていたからです。

しかし転職は違います。中途採用は即戦力のピンポイント採用です。業界も職種も絞られ、応募書類や面接の“質”が問われる。だからこそ、数を打っても当たりません。


応募は何社がベスト?──答えは「4社〜8社」

まず基本の応募数の目安はこの通り:

  • 未経験転職なら:4〜8社
  • 経験を活かした転職なら:3〜5社

「え、少なっ!」と思ったあなた、大丈夫です。そう思うのが“普通”ですが、それこそが誤解の始まり。

実はこの応募数、「転職活動で失敗しない」ための黄金比なんです。


【最重要】転職成功のための2つの方針

転職活動の応募数は、以下の2つの方針を守るために調整されるべきです。

方針① 面接予定は最大でも5社以内にすること

特に初めての転職では、面接の準備だけで本当にいっぱいいっぱいになります。たとえWeb面接でも、同時に5社以上の選考を進めるのは高確率でパンクします

スケジュールが重なり、1日に2件以上の面接がある…。そんな状況では、準備不足で落ちるのが目に見えています。

方針② 内定は最低でも2社以上を目指すこと

面接は絞りたい。でも、最終的に内定は複数持っていた方が絶対にいいんです。

なぜなら、「内定をもらった=即決断」ではないから。

内定後に出てくるのは、こんな迷いです:

  • 本当にこの会社でいいのか?
  • 条件交渉はできる?
  • 他社との比較がないまま入社を決めていいのか?

比較できる内定先があると、精神的にも条件交渉でも圧倒的に有利になります。


応募数の目安が“4〜8社”なのはなぜ?

それは書類選考の通過率が人によって全く違うからです。

一般的に、しっかり準備した応募書類での通過率は**30〜50%**ほど。

つまり、8社応募しておけば、4社程度の面接が入る可能性があり、方針①(面接5社以内)をクリア。

さらに、その中から2社以上の内定を得られれば、方針②(内定2社以上)も達成できます。


書類通過率はどう決まる?

書類通過率は、以下のような要素に左右されます。

  • 応募職種とこれまでの経歴の一致度
  • 同業界・同職種での経験の有無
  • 応募書類のクオリティ
  • 応募先企業の倍率やタイミング

未経験転職であれば通過率は下がる(30%未満)ことも。逆に、経験を活かした転職であれば通過率は80%以上もあり得ます


大量応募が招く“取り返しのつかない失敗”

応募しすぎて書類がたくさん通ると、面接が集中しすぎて準備が追いつかず、本命企業ですら不完全な状態で面接に臨む羽目になります。

「本命の企業、準備不足で落ちた。もう一度面接してください…」は、通用しません。

だからこそ、最初は物足りないくらいの応募数でいいんです。様子を見ながら、徐々に追加するのが正解です。


4つの“成功の補足ポイント”

ここからは、さらに転職活動を戦略的に成功させるための補足ポイントです。

①「平均」に騙されるな

ネットで「転職者は平均20社応募」などと見かけても、鵜呑みにしないでください。あなたの状況(年齢・経験・志望職種)によって通過率は大きく異なります。

② 大量応募せざるを得ない人の特徴

  • 離職中で早く転職を決めたい人
  • 年齢や経歴的に“通りにくい”と自覚している人

このような場合は、大量応募もやむなし。ただし、雑にこなすのではなく、1社1社入念に準備することが大前提です。

③ 途中辞退も“戦略”である

予想外に書類が通りすぎて、スケジュールがパンクしそうになったときは、途中辞退も戦略の一つ

「本命の面接に全力を注ぐために、合わない企業は見送る」

これ、大事です。

④ 第一志望の面接は“後半”に入れる

面接は経験を重ねるごとに、確実に上達します。

だからこそ、第一志望の面接は2回目以降にスケジュールを入れるようにしましょう


書類通過率を高めるには?

最短ルートは、良質な転職エージェントとの壁打ち

特におすすめなのが業界特化型の“ブティック型エージェント”。以下の業界なら質の高いエージェントが見つけやすいです。

  • SaaS業界
  • コンサル業界
  • 人材紹介業界
  • M&A業界
  • リクルート系列

自分の志望業界が明確な場合は、大手ではなく中小のプロフェッショナル系エージェントを活用しましょう。


まとめ:応募社数に正解はない。でも、指針はある

転職活動のゴールは、転職そのものではなく「納得感のある選択」

だからこそ、以下の方針を大切にしてください。

  • 面接予定は最大5社以内にすること
  • 内定は2社以上を目指すこと
  • 応募数は4〜8社を目安にスタートすること

そして、途中で見直しながら戦略的に軌道修正していくこと。

転職活動は数ではなく、質と準備で決まります。

あなたのキャリアが、希望に近づく一歩になりますように。