「未経験からの転職って、何から気をつければいいの?」
これは、キャリア相談を受けていてよく聞かれる質問の一つです。
新卒ではない。経験もない。でも、どうしても挑戦してみたい仕事がある。
そんなとき、多くの人がやりがちな“ある共通点”があります。
それは、無自覚に3つの失敗をしてしまうこと。
今回はその「未経験転職のやりがち失敗3選」について、徹底解説します。
まず大前提:「ポテンシャル採用」の意味を知ること
未経験転職のゴールは明確です。
「この人、経験はないけど熱量とポテンシャルがある」
そう採用担当者に思わせること。
ここを見誤ると、どんなに応募しても、面接しても、うまくいきません。
採用側の本音:できれば“経験者”が欲しい
そりゃそうですよね。即戦力として計算できるし、教育コストも少ない。
でもそれでも、未経験の人をあえて採用するのはなぜか?
「長期的に見て、この人のほうが得」と感じるから。
つまり、今のスキルよりも、未来の可能性を見ているということです。
そしてそのポテンシャルは、以下の2つで構成されています。
- 熱量(本気で挑戦したいという気持ち)
- 能力(今後伸びる素質があるか)
これらが伝わらない限り、未経験からの転職は通りません。
それを踏まえたうえで、避けるべき3つの落とし穴を紹介します。
①「膨らみすぎた夢」──理想だけ語っていませんか?
まず1つ目は、未経験職種への“幻想”に引っ張られすぎてしまうこと。
たとえば、営業からWebマーケターに転職したい人がいたとします。
その人が「Webマーケターはスマートで華やかで、営業よりも戦略的でクリエイティブ」と語ると、面接官はこう思います。
「あ、この人、現実を知らないな」
実際の未経験Webマーケターの仕事は、数字の管理画面を延々と見つめ、地道に仮説検証を繰り返す、泥臭い仕事の連続です。
たとえばこんな人なら、採用担当の心は動きます。
「数字を分析するのが大好きで、営業時代にも得意先の販売データを頼まれてもいないのに分析してました」
地味な現実も理解した上で、それを自分の強みに変えられる人は、未経験でも評価されるんです。
②「根本的自己否定」──今までの仕事、全否定していませんか?
未経験職に挑戦する際、よくやりがちなのがこれ。
「今の仕事が嫌すぎて…」という転職理由。
たとえば、接客業から法人営業に転職したいという人が、面接でこう語るとどうなるか。
- 「今の接客はクレームが多くて、成長しないし、もう限界です」
- 「だから、もっと合理的な法人営業に行きたいんです」
一見、論理的に見えますが、このパターンでは内定は取れません。
なぜなら…
- ネガティブな理由しか感じられない → 熱量が弱く見える
- 類似した職種(接客⇄営業)でギブアップしてる → 能力も疑われる
正解は、今の経験を“ポジティブに肯定”すること
たとえば、こうです。
「接客業もやりがいがありました。コミュニケーションを通じて売上にも貢献できました。ただ、接客はどうしても一回きりの関係になってしまう。それが少し物足りなくて、もっと長期的な信頼関係を築く法人営業に挑戦したいと思いました」
このように話せれば、過去の経験を活かしながら未来を語れる人として評価されます。
③「激アサ物語」──30分で考えた“理由”はバレてます
最後に3つ目。
面接で必ず聞かれるのが、「なぜその業界・職種に挑戦したいのか?」という質問です。
ここで、ネットで拾ったような“うすい理由”を語る人が多すぎます。
たとえば…
- 「成長産業だから」
- 「ニュースで見て、今後伸びると思ったから」
このレベルの理由では、熱量は一切伝わりません。
本当に伝わるのは「自分の実体験」に根ざしたストーリー
たとえば、物流の会社で働いていたTさんの話。
Tさんは、業務の効率化のために自分でITツールを探して導入。劇的に仕事が効率化されて、その経験が「ITの力ってすごい」と実感するきっかけになった。
「あのときの感動を、今度は営業として他の人にも広めたい」
これが、Tさんが未経験からSaaS業界の営業職に転職した本当の志望動機です。
じゃあ、自分もストーリーを見つけるには?
必要なのはただ一つ。
深い自己分析です。
経済ニュースを読みあさることではありません。大切なのは、あなた自身の経験や人生のエピソードに向き合うこと。
- なぜ今、その業界に興味があるのか?
- その思いはいつから?
- どんな出来事があってそう思うようになった?
本当に伝わる志望理由は、時間をかけて向き合った“自分の過去”から生まれます。
まとめ:未経験転職の3つのNGに気をつけよう
✅ 膨らみすぎた夢
→ ポジティブな面だけでなく、現実も理解しよう
✅ 根本的自己否定
→ 今の経験を肯定し、それを“つなげて”語ろう
✅ 激アサ物語
→ ニュースじゃなく、自分の体験から語ろう
未経験転職は確かに大変。でも、それだけの価値がある
未経験からの転職は、短期的にはしんどいです。
年収が下がることもあるし、慣れない業務で戸惑うこともある。でも、それを乗り越えた先には、人生をガラリと変えるチャンスがあります。
今のキャリアをこのまま続けて後悔しそうなら。
変えたいと思った「その感情」こそが、第一歩です。
「今年こそ、人生の軌道をゴリッと変えたい」
そう思っているあなたには、未経験転職という挑戦は、決して間違っていません。
あなたのキャリアが、過去の延長ではなく“未来を切り拓く選択”になりますように。応援しています!