ガクチカって何を書けばいいの?──「たいしたことがない自分」に悩むあなたへ

「学生時代に力を入れたことって、なんにも思いつかない」

夏休み真っ盛り。周りはインターンやエントリーシートの準備を始めているけれど、自分は何をどう準備したらいいのか分からない…。そんな不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

今日は、そんなあなたにこそ伝えたい「ガクチカの捉え方と考え方」の話です。


なぜ夏休みに“ガクチカ”の話をするのか

まず最初に、なぜこのタイミングで「学生時代に力を入れたこと(=ガクチカ)」の話をするのか。

その理由はシンプルです。

冬から春にかけて本格化する就職活動に向けて、今から考え始めないと間に合わないから。

ガクチカは、選考の場で必ず聞かれる質問です。とりあえずそのときに考えればいいや……と思っていると、いざ本番で中身の薄い話しかできない、という事態になりがちです。

だからこそ、夏のうちから“今、何を積み上げておくか”が大事なんです。


就職活動は「ポテンシャル採用」──完璧である必要はない

就職活動は「ポテンシャル採用」です。

今できるかどうかではなく、「この人、伸びそうだな」「活躍しそうだな」と思ってもらえるかがポイントです。

新聞を集めてまとめただけで何かが証明できるわけではありません。でも、それをどう語れるかが重要なんです。

「なぜそれに興味を持ち、どのように取り組んだのか」
「そこから何を考え、何を得たのか」

それが、将来の小さな成功の“芽”として見えるかどうか
それを、面接官が感じ取れるかどうか。それが評価に直結します。


ガクチカは「たいしたこと」でなくていい

よくある誤解があります。

「ガクチカは、すごいことをやってないといけない」

これ、完全な誤解です。

たとえば「カンボジアで井戸を掘ってきました」「学校を建てました」といった話。確かにインパクトはあります。でも、そういった“立派な話”が就活で評価されるとは限りません。

それよりも、自分が本当に大切だと思っていることに向き合った経験かどうかが、ずっと大事なのです。


“人・社会・こと”のどれに向いているかを考える

じゃあ、どこから手をつければいいのか。
私は、ガクチカを作る上で、まず**「人」「社会」「こと」**という3つの方向から考えると良いと思っています。


1. 人に向いたエピソード

  • アルバイトや部活動など、他者との関わりを通じて自分が変化した経験
  • たとえば、調理場の裏方から接客に出て、コミュニケーションの大切さに気づいた話など。

2. 社会に向いたエピソード

  • ボランティアや地域活動、あるいは国際問題への関心など。
  • 自分が何か社会の一部として関わった経験を深掘りしていく。

3. こと(事象)に向いたエピソード

  • 研究・ものづくり・金融など、自分が取り組んだ「テーマ」。
  • たとえば「日本の食文化を広めたい」という想いから新聞を分析した私の例も、ここにあたります。

続けてきたことにこそ、本物の説得力が宿る

一瞬だけ頑張った話よりも、継続して取り組んできたことの方が、深い説得力があります。

なぜなら、継続する中で必ず学びや失敗、発見があるからです。
そしてそれが、自分の言葉で語れるエピソードになっていくのです。


目つきが変わる、そのときが「本物」になった証

半年後、1年後。

何かに一生懸命取り組んできた人は、目つきが変わってきます
それが、実は面接で一番伝わるポイントです。

「この学生、何かに真剣に向き合ってきたな」
そう感じさせる表情や話し方は、どんな立派な経歴よりも心に響きます。


評価されるのは“3つの指標”が揃ったとき

面接で企業が見ているのは、たった3つのこと。

  • やる気
  • 能力
  • 将来性

この3つに、あなたの人柄が加わることで、「この人と働いてみたい」と思ってもらえるのです。

そしてこの3つ、ガクチカにちゃんと取り組んでいれば、自然とにじみ出るものなんですよ。


就活がまだ遠く感じるあなたへ

「どんな仕事がしたいか、まだ分からない」
「自分の強みもはっきりしない」

そんなあなたも、大丈夫です。

まずは、**「人」「社会」「こと」**のうち、どれか自分の興味が向く方向を選びましょう。
そして、好きなもの、気になるものに取り組むことを始めてください。

やってみないと分からない。だからこそ、動き始めてみる。
その積み重ねが、半年後、1年後のあなたを変えます。


最後に:ガクチカとは、あなたの価値観を映すもの

ガクチカとは、何かを達成するための“実績自慢”ではありません。

それはむしろ、あなたの価値観を映し出す鏡のようなもの。

  • 何を大事にしているのか
  • どう生きたいのか
  • どんな未来を描いているのか

そういったことが、エピソードを通じてにじみ出る。
だからこそ、大きくなくていい、小さくてもいい。続けてきたことにこそ意味がある。


顔つきが変わるほど、夢中になった何かがあるか?

これが、ガクチカの本質です。

焦らず、今の自分と向き合うところから始めてみてください。
きっと、あなただけの「伝わるガクチカ」が見つかります。