「この質問、意味ある?」
面接官の前でふと口に出しかけた質問。
けれど、その一言が頭の中で何度もぐるぐる回る。
「聞いていいのかな」「こんなこと聞いたらバカにされるかな」
そんな不安に押しつぶされそうになって、結局黙ってしまう。
――実は、それ、就活生あるあるなんです。
でも安心してください。
そして、ちょっとだけ覚悟してください。
あなたの“質問力”が、これからの未来を大きく左右するからです。
「質問しない人間はいらない」――衝撃の一言
これはある講師の言葉です。
「質問をしない人間は、その場に必要ない人間だ。」
厳しい言葉に聞こえるかもしれません。
でも、その人は続けてこう言いました。
「私はこれまで、1万人以上の若者から質問を受けてきた。でも、その9割は“意味のない質問”だった」
言葉は強いですが、決して否定したいわけではないのです。
むしろ、伝えたいのはこういうことです。
質問の“仕方”を変えれば、一瞬で評価が変わる。
今回は、就活生が必ず知っておくべき「良い質問の仕方」について、深掘りしていきます。
なぜ質問が大切なのか?
質問とは、ただの疑問ではありません。
相手との理解をすり合わせる“行為”であり、信頼関係の入り口です。
でも、なんとなく「何か聞かないと」と思って、
表面的なことをポンと聞いてしまっていませんか?
たとえば、こんな質問。
- 「〇〇についてどう考えていますか?」
- 「私の考え、合ってますか?」
- 「具体的に教えてください」
- 「どうしたらいいでしょうか?」
これらは一見、真面目な質問に見えます。
けれど、実は**“質問の体”をなしていないことが多い**のです。
なぜでしょうか?
質問には“3つの要素”が必要
良い質問には、ある構造があります。
それは、以下の3つです。
- As-Is(現状の自分の理解)
- To-Be(なりたい自分)
- そのギャップ(質問の核心)
✅ 例:悪い質問
「御社のリーダーシップ制度について教えてください」
この質問、どこが悪いのでしょうか?
相手が「どこから説明すればいいか分からない」のです。
あなたが何を知っていて、何を知らないのかが伝わらないからです。
✅ 例:良い質問
「御社のリーダー育成制度は、チーム単位でのOJTが軸だと理解しています。
ですが、将来的にマネージャー職を目指す場合、それだけで十分なのか不安です。
その際に意識すべきスキルや姿勢があれば教えていただけますか?」
どうでしょうか?
現状の理解(As-Is)→ なりたい姿(To-Be)→ ギャップの問い(質問)
という構造がしっかりありますよね。
よくある“クズ質問”の正体
❌「〇〇についてどう思いますか?」
→ 意見の丸投げです。
あなたの立ち位置が見えない。
「なぜそれを聞くのか」が伝わらない。
❌「私の理解は合ってますか?」
→ “正解”を求める姿勢が透けて見えます。
会話はテストではありません。
正しいかどうかより、なぜそう考えたかの方が重要です。
❌「具体的に教えてください」
→ 失礼な印象を与える危険なフレーズです。
相手にとっては「私の説明が下手だった?」と不安になるか、
「何も知らないくせに」と苛立たせてしまうことも。
❌「どうしたらいいでしょうか?」
→ 完全な丸投げ。
自分で考えていない姿勢が丸見えです。
質問で大切なのは“意図”を伝えること
例えば、「具体的に教えてください」と言いたくなったときも、
その前に、あなたの現状理解(As-Is)と目指す姿(To-Be)を添えるだけで印象が変わります。
「私は〇〇のように考えており、××を目指しています。
そのために△△の部分がまだ不明瞭で…。
ここについて、具体的な例があれば教えていただけますか?」
たったこれだけで、相手は安心し、あなたの熱意や努力を感じてくれます。
質問力を鍛える2つの方法
① As-Isから話し始めるクセをつける
「私はこう理解しました」「このように考えています」
→ 自分の頭で考えてきたことを、まず口に出す。それだけで質問の質は上がります。
② To-Beから逆算して質問する
「私はこうなりたい」「このような行動をしたい」
→ 目的が明確になれば、質問の“芯”もブレなくなります。
“質問”は未来を変えるトリガーになる
質問には、時間を動かす力があります。
わずか1分の質問が、あなたの未来を変える可能性を持っているのです。
就活だけではありません。
社会人になっても、社内の会議でも、クライアントとの商談でも――
質問の質ひとつで、あなたの存在感は変わります。
最後に:変化をもたらす問いをしよう
質問とは、**「変化を起こすためのアクション」**です。
変化を生まない質問は、相手の時間を奪うだけ。
「何のために聞いたの?」という質問は、すべて“クズ質問”です。
でも、今日からでいいのです。
最初はうまくできなくてもいい。
面接で後悔しても、次に活かせばいい。
完璧にできるようになってから動こうとするのではなく、
“できないままでもいいから、まず実行する”
――それが、質問力を高める第一歩です。
あなたの“問い”が、あなた自身を語る
面接での一言。
先輩への相談。
企業説明会でのやりとり。
そのどれもが、あなたを“映す鏡”です。
今日から、「なりたい自分」と「今の自分」の間にある“ギャップ”を
相手とともに埋める問いかけを意識してみてください。
あなたの“質問力”が、きっと未来を動かします。