「会社に入るために自己分析をする」——本当に、それだけでいいんでしょうか?
こんにちは。今日は、就職活動における「自己分析」をテーマに、皆さんにとって少し立ち止まって考える時間をお届けできたらと思います。
就活における自己分析って、正直、「なんとなくやるもの」「志望動機を書くための準備」みたいな位置づけになっていませんか?
でも実は、自己分析にはもっと深い意味と力があるんです。今日は、就活の“目的”と“本質”から見直しながら、自分の強みをどう発見し、どう活かすかという視点で話を進めていきます。
「就活の本質」を知ることで、自己分析の意味が変わる
ある有名な経営者の言葉に、こんなものがあります。
「就職は会社と結婚するようなものじゃない。職能と結婚するんだ」
つまり、「どの会社に入るか」ではなく、「どんな仕事をするか」が本質であるという考え方です。
会社は変わっても、自分の職能(スキルや強み)はずっとついてくる。
だからこそ、「何が得意か」「どんな場で輝けるか」を知らないまま会社を選ぶのは、結婚相手の顔も知らずに式を挙げるようなものなんですね。
「働く」とは、価値を生み出すこと
では、そもそも「働く」とはどういうことなのでしょうか。
答えはシンプルです。
「誰かのために価値を生み出すこと」
そして、その価値をもっとも効率よく、かつ自分らしく生み出せる場こそが、あなたの“適職”です。
では、その「価値を生み出す力=強み」は、どうやって見つけるのでしょうか?
強みを見つけるためのステップ
有名な実業家・経営者の方々が共通して語っていた自己分析のポイントは、次の3ステップです。
- 好きなこと・得意なことを掘り下げる
- そこにある「成功体験」を見つける
- その成功体験から「強み」を抽象化する
例えば、小さい頃から人前で話すのが好きで、文化祭の司会を成功させた経験があるなら、それは**「場を盛り上げる力」や「伝える力」**かもしれません。
そして、この強みを発揮できる職能領域を選ぶことで、働くことが自然体でできるようになるのです。
「3つの円」で考える強みの構造
自己分析をするうえで、ある方が提唱した「3つの円」のフレームワークは非常に参考になります。
① バリュー(価値観)
あなたが「大事にしたい」と思うこと。
例:自由、貢献、成長など。
② コンピテンシー(能力)
どんな環境でも活かせる本質的な力。
例:考える力、伝える力、人を動かす力。
③ スキル(技能)
今の仕事や学びを通して培った専門スキル。
例:プログラミング、英語、会計など。
この3つの円が重なる場所こそが、自分に最適な“職能”領域なのです。
職能を選ぶ=自分の人生をデザインする
就活では「会社」を基準に選びがちですが、実は大事なのは「職能」です。
なぜなら、会社は変わっても、職能は変わらないから。
そして、職能を軸にすれば、どの業界でも自分らしく働ける土台ができます。
100万分の1の人材になるには?
ある経営者は、こう言っています。
「3つの領域で、それぞれ100人に1人になれば、100万分の1の人材になれる」
これはつまり、3つの強みを掛け算することの価値です。
たとえば「経理 × YouTube × 経営」。
一見バラバラでも、経験を積んで掛け算すれば、唯一無二の市場価値が生まれるのです。
自分の職能を見極めるための3分類:T・C・L
職能は、次の3タイプに分けて考えるとわかりやすいです。
T:Thinking(考える力)
コンサル、研究、戦略立案など
C:Communication(伝える力)
営業、広報、ライターなど
L:Leadership(人を動かす力)
経営、マネジメント、プロジェクト推進など
あなたの強みはどこにありますか?
どれが得意で、どれが苦手ですか?
これを意識するだけで、選ぶ職能の方向性が定まっていきます。
具体的な自己分析法:メモの魔力で掘る
では、実際にどうやって自己分析すればいいのでしょうか?
『メモの魔力』という本には、2つの方法が紹介されています。
① 垂直に掘る:「自己分析100問」
自分に問いを投げかけ、答えていく。
問いに答えることで、自分の価値観や強みが言語化されていきます。
例:
「人生で一番悔しかったことは?」
「なぜその経験が印象に残っている?」
→ そこに価値観や信念が表れます。
② 水平に掘る:「ライフチャート」
時間軸で人生を振り返り、感情のアップダウンをグラフ化します。
- 横軸:時間(幼少期〜現在)
- 縦軸:感情の起伏(楽しかった・辛かった)
ポイントは、感情が大きく動いた瞬間に標語をつけて言語化すること。
例:
「大学受験に合格した」→「浪人が報われた瞬間」
こうすることで、自分にとって何が大切だったかが見えてきます。
まとめ:自己分析は“自分の選択”を明確にする作業
就活における自己分析は、ただの準備作業ではありません。
人生の選択肢を「自分で選べる」ようになるための時間です。
就職活動を始めたばかりの人も、すでに面接を控えている人も、
一度立ち止まって、次のステップを意識してみてください。
【自己分析の6ステップ】
- 働くとは価値を与えることだと理解する
- 価値は「強み」から生まれると認識する
- 強みは好き・得意なことに隠れている
- 成功体験から強みを抽象化する
- 強み=コンピテンシーとして定義する
- 強みを活かせる「職能」で会社を選ぶ
「選べる」ことは、若さの特権
最後に、ある方が語った印象的な言葉を紹介します。
「今のあなたたちは、“選べる”ことができる。それは、若さの特権です」
社会人になると、責任や環境によって選択肢が減っていきます。
でも、今のあなたは、自分で未来を選ぶことができる。
だからこそ、この「自己分析」の時間を大切にしてほしい。
あなたが本当に輝ける場所を、自分自身で見つけてください。