「学生時代に力を入れたことは何ですか?」
就職活動の面接で、ほぼ確実に聞かれるこの質問。でも、答えに詰まってしまう学生さんは本当に多いんです。
実際、私のもとにもよくこんな相談が届きます。
「何か特別なことをしたわけでもないので、答えられません…」
でも、安心してください。特別な実績がなくても、企業はちゃんとあなたの“頑張り”を見てくれています。
今回は、「頑張ったことが思いつかない」「自分には話せるような経験がない」と感じているあなたに向けて、「学生時代に頑張ったこと」の見つけ方、そしてそれをどう伝えるかを、わかりやすく解説していきます。
企業が「学生時代に頑張ったこと」を聞く、本当の理由
そもそも、企業はなぜこの質問をするのでしょうか?
理由は、大きく分けて2つあります。
①あなたの人柄を知りたいから
どんなことに興味を持ち、どんな姿勢で物事に取り組んできたのか。そこからあなたの価値観や人柄が見えてきます。
②最後までやり遂げる力があるか知りたいから
社会人になると、困難やプレッシャーがつきものです。そうした中で「諦めない力」があるかどうかを、過去の頑張りから見極めようとしているのです。
つまり企業は、「すごい実績」よりも、「その人がどう乗り越えたか」「どう向き合ったか」に注目しているということ。
地味でもいい、“あなたなりの”努力が見たい
「○○大会で優勝しました」といった華やかな話ができる人は、実は少数派です。むしろ、多くの企業が知りたいのは、こんなことです。
- 苦手なことに向き合った姿勢
- 小さな成功を積み重ねたプロセス
- チームで協力し合った経験
だから、「何も特別なことはしてない」と思っていても、あなたなりの頑張りが必ずあるはずです。
よくある2つの「答えられない」パターンとその突破法
ここからは、よくある「答えられないパターン」と、それぞれの解決策をご紹介します。
パターン①:「頑張ったことはあるけど、うまく言語化できない」
こういう方は、「充実していた時期」を思い出してみてください。
たとえば…
- 部活動で夢中になっていた時期
- アルバイトで「楽しい」と感じた瞬間
- ゼミや授業で積極的に取り組んだこと
なぜその時期が充実していたのか?
どんな気持ちで取り組んでいたのか?
そんなふうに感情の動きや背景に目を向けてみると、「頑張ったこと」の輪郭が見えてきます。
表現がうまくできないうちは、見栄えを気にせず正直に書き出してみるのが大切です。
パターン②:「本当に頑張った経験がない」
このパターンに当てはまる方も、今から始めれば大丈夫です。
たとえば、
- 新しいアルバイトを始めてみる
- インターンに応募してみる
- サークル活動をもっと積極的にしてみる
ポイントは、「一人で完結すること」よりも、チームで取り組む経験を選ぶこと。
なぜなら、チームでの活動は、
- 意見の違い
- 連携ミス
- 思い通りにいかない現実
など、乗り越えるべき壁がたくさんあるからです。そうした経験を通じてこそ、企業が知りたい「頑張ったこと」が生まれます。
実践!「学生時代に頑張ったこと」のつくり方
では、実際にどうやってエピソードを組み立てればよいのか?
以下の3ステップで考えると、整理しやすくなります。
ステップ①:どんな状況で頑張ったか
まずは「背景」をしっかり伝えることが大事です。
- どんな課題や目標があったのか?
- どんな人と一緒に取り組んだのか?
- どんな状況でスタートしたのか?
これが曖昧だと、あなたの頑張りがリアルに伝わりません。
たとえば、「アルバイトでリーダーを務めた」という話なら、「人手不足の店舗で、売上が低迷していた」というように具体的な状況を加えましょう。
ステップ②:課題を乗り越えるためにどんな行動をしたか
ここが最も重要なパートです。
- どんな工夫をしたのか?
- どんな困難があって、どう乗り越えたのか?
- 自分の役割をどう果たしたのか?
「自分は何を考えて、どう動いたか」を具体的に書くことで、主体性や課題解決力が伝わります。
ステップ③:その結果、何を学んだか
最後は、あなたがそこから何を感じ、どう成長したかを伝えましょう。
実績よりも、企業が知りたいのは、あなたの気づき・学びです。
思い通りの結果が出なかったとしても、「そこから何を学んだのか」がはっきりしていれば、十分に評価されます。
まとめ:特別なことじゃなくていい。あなただけの「頑張り」を見つけよう
「学生時代に頑張ったこと」は、業界や職種を問わず、ほぼ必ず聞かれる質問です。
だからこそ、事前にしっかりと準備しておけば、それがあなたの自信にもつながります。
最後に、もう一度ポイントをおさらいしましょう。
✅「頑張ったこと」作成の3ステップ
- どのような状況で頑張ったのか
- 課題を乗り越えるために何をしたのか
- その結果、何を学んだのか
あなたが「大したことじゃない」と思っている経験も、伝え方ひとつで大きな強みになります。
これからの就職活動で、「あのとき頑張ってよかった」と思えるように。まずは自分自身を見つめ直すところから、はじめてみてくださいね。